全日制の文化祭に、あやちゃんと行った。
ただ遊びに行ったわけじゃない。自分たちの文化祭に向けての、視察のつもりだった。生徒会をやって、軽音部もやっている。全日制はどんな文化祭をやっているのか、一度この目で見ておきたかった。
場所は同じ学校だ。毎日通っている、あの校舎。でも昼間に来るのはめったにない。
空気が全然違った。
人数が多いせいもある。でもそれだけじゃなくて、昼間の学校には活気があって、賑やかで、なんというか「ちゃんと文化祭」だった。定時制の夜の静けさとは、別の世界みたいだった。
目当ては軽音部だった。
会場はいつも僕たちが練習に使っている視聴覚室だった。同じ部屋なのに、そこに知らないバンドたちが次々に上がって、何曲も演奏していく。
その演奏レベルの高さに、正直驚いた。高校生のバンドってこんなにうまいのか、と。当たり前といえば当たり前で、全日制には人数も時間もある。同じ部屋で、僕たちとはまるで違う音が鳴っていた。
そのとき僕はTHE BAWDIESにハマっていた。演奏を聴きながら、ノリノリで楽しんだ。
楽しみながらも、頭のどこかで「これを定時制でどこまでやれるかな」と考えていた。人数も時間も向こうには敵わない。でも、敵わないなりに自分たちにできることはある。眩しさと一緒に、そんな手応えも持ち帰った気がする。
あやちゃんと並んで、音楽を聴いた。
普段は夜、一人で来る場所に、昼間、二人で来る。同じ学校が、少し違って見えた。