ハイキング部で、鎌倉に行った。
山を登ったあと、駅の近くにある「フクロウの森」に寄った。給食のときに知り合った1年生のコタローも一緒だった。
フクロウたちは、足をチェーンで繋がれていた。最初にそれを見たとき、少し可哀想だと思った。
でも間近で見るのは初めてで、思ったよりずっしりとした重さが腕に伝わってきて、じっとこちらを見てくる目が妙に真剣で。なんだか愛嬌があって、かわいいな、と思った。
ハイキング部としての活動が終わって、コタローは帰った。
「カラオケ行きませんか」と誘われた。
断る理由もなかったので、さき先輩と森田先輩と僕の3人でカラオケへ。2時間くらい歌った。
さき先輩は、軽音部で一緒にステージに立ったことがある先輩だ。森田先輩は、生徒会長選挙で戦った相手だった。いわば、戦友みたいな3人だった。
ハイキング部では、年齢よりも「何年生か」の方が大事だった。僕は31歳を過ぎていたけれど、学校の中では生徒だった。さき先輩と森田先輩は、年齢で言えばずっと若い。でも学校では、僕の先輩だった。
冷静に考えると、JK二人とおじさんの3人でカラオケ。
文字にすると、なかなかの状況である。
でもあのときの僕たちは、ただのハイキング部の仲間だった。二人は年齢も関係なく、分け隔てなく接してくれた。それが素直に嬉しかった。
山を登って、フクロウと遊んで、帰りにカラオケに行った。それだけの、少し変な青春だった。