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ep.15 高校入学前

合格発表の前に立っていたのは、僕ひとりだった。

2020.02.15(土)

合格発表の日、特に緊張はしていなかった。

落ちるとは思っていなかった。試験の手応えもあったし、そもそも「落ちたらどうしよう」という発想自体が、もう頭になかった。やると決めた。やり直しに来た。その気持ちが、不安の入り込む隙間をふさいでいた。確認しに行く、それだけの気持ちで学校へ向かった。

掲示板の前に着いて、辺りを見回した。

誰もいなかった。

全日制の合格発表なら人だかりができるものだが、定時制はそういうものではないらしい。静かな掲示板の前に、僕ひとりだけが立っていた。

自分の番号を探した。

あった。

確認完了、という感じだった。歓喜で飛び上がるとか、涙が出るとか、そういうことはなかった。「やっぱりそうか」という、静かな納得感だ。でも、それが自分らしかったと思う。覚悟を決めた時点で、もう前に進むことは決まっていた。合格はそのための切符に過ぎなかった。

家に帰って、あやちゃんに伝えた。

「受かったよー。これからがんばるね。」

「よかった!がんばってね。」

大げさな祝福はなかった。でも、それがちょうど良かった。あやちゃんはいつも、僕が決めたことを静かに応援してくれる。必要以上に騒がず、ただそこにいてくれる。その安心感が、僕にはずっと一番の支えだった。