パラリンピックを見ていたとき、ふと手が止まった。
腕や足のない選手たちが、水をかき分けて力強く泳いでいた。スタジアムには歓声が上がり、画面越しでも伝わってくるほどの熱気だった。
その瞬間、私は気づいてしまった。
自分は、泳げない。
手も足もある、五体満足の30歳が、である。「金槌」という言葉があるが、まさにそれだ。水に入れば沈む。挑戦すらしたことがなかった。障害を持ちながら世界の舞台で泳ぐ選手たちと比べるのは筋違いだとわかっている。でも、「みんなが普通にできることが、自分にはできない」という事実が、じわじわと胸に広がった。
泳げないことだけじゃない。
まわりの友人たちは高校を出て、大学へ行って、就職して、それぞれの人生を歩んでいた。私も高校には入った。でも1年目の夏に辞めた。「つまらない」という理由で。その選択が、ずっと心の奥に引っかかり続けた。
こんにちは、itakoです。
このブログは、31歳から定時制高校へ入学した、元中卒トラックドライバーの私が、4年間の高校生活をリアルに書き綴ったものです。
当時の私は、朝から晩まで働きづめの毎日を送っていた。帰宅してご飯を食べて風呂に入ったら、そのまま仕事に出る日もあった。ぎっくり腰になっても現場を離れられず、睡眠不足が当たり前になっていた。給料は安く、やりたいことをやる時間も体力も残っていなかった。「このまま歳をとっていくのか」という焦りだけが、じわじわと積み上がっていた。
それでも、31歳で定時制高校の門を叩いた。
勉強の話だけじゃない。10代の子たちに混じって生徒会長に立候補したこと、バンドを組んで文化祭でライブをしたこと。笑えて、悔しくて、たまに泣きそうになる4年間だった。