気づいたら、目的地に着いていた。
運転している記憶がない。さっきまで出発地点にいたはずなのに、いつの間にかトラックは目的地の近くを走っていた。頭の中が霞がかかったような状態で、ハンドルを握っていたのか、アクセルを踏んでいたのかすら曖昧だった。
当時の僕の1日は、こうだ。朝7時に出発して夜8時に帰宅。食事と風呂を済ませ、夜11時から朝4時まで実家の新聞配送に出る。帰って3時間眠り、また仕事へ。これが毎日だった。慢性的な睡眠不足が続くと、人間の感覚は少しずつ麻痺していく。眠いのか眠くないのか、疲れているのかそうでないのか、自分でもわからなくなっていた。
その夜も、そういう状態だったのだと思う。
ドン、という鈍い衝撃音が鳴った瞬間、体が宙に浮いた。
シートベルトに体を引き留められ、揺れが収まった後に気がついた。トラックが中央分離帯に突っ込んでいた。明け方4時頃のことで、幸い交通量はほとんどなく、他の車も人も巻き込まなかった。路肩にトラックを寄せてエンジンを切り、外に出た。タイヤがバーストしていた。タイヤ交換では済まない状態だった。
その日は仕事を休んで、修理に出した。