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ep.40 1年生

国際交流部。

軽音部、ハイキング部と並行して、僕は「国際交流部」にも所属していた。

定時制高校ならではの部活なのだが、僕がいた頃の部員構成はとてもユニークだった。フィリピン系のシェイン、トレキシー、ミサ。韓国人のカン。そして日本人は、僕がたった1人。

この「3:1:1」という比率が、この部活の空気感をそのまま表していたように思う。

彼女たち、彼らは本当にすごい。仲間内ではタガログ語や韓国語で盛り上がり、英語も完璧にマスターしている。それでいて、僕とは日本語で普通に会話する。さらりと数ヶ国語を操るその姿には、同じ生徒ながらいつも圧倒され、感心させられていた。

さて、この「国際交流部」が一体どんな活動をしていたかというと。

放課後にお菓子や料理、飲み物をそれぞれ持参して集まり、ただただパーティーをする!基本的にはこれだけだ。

といっても、活動は毎日あるわけではない。開催されるのは、半年に1回くらい。その「たまにある特別な日」に向けて、みんなで何を持っていくかワクワクしながら計画する。

「交流」という言葉からイメージするような堅苦しい勉強会などは一切ない。シェインたちが持ってきたフィリピンのお菓子や、カンが持ってきた韓国の食べ物をつまんだり、手作りの料理を囲んだりしながら、わいわいとお喋りに花を咲かせる。

難しい理屈抜きで、ただそこにいる5人がハッピーになれる。とにかく「楽しいだけ」の部活だった。

31歳の僕にとって、仕事や授業の合間に、半年分の近況を報告し合うようなこの賑やかな時間は、最高の息抜きだった。国籍も背景もバラバラだけど、美味しいものを食べて笑い合えば、それだけで十分。夜の教室が、一瞬でどこか遠くの国のお祭りのような温かい空気に包まれる。

日本人は僕一人という環境だったけれど、そんなことはちっとも気にならない。自由で明るい国際交流部の雰囲気が、僕は大好きだった。