入学して2ヶ月が経った頃、1年生初のイベントがあった。校外学習——つまり遠足だ。
目的地は浅草。事前に班を組んで観光スポットを調べ、当日はその計画通りに動く。自由行動の練習のようなものだ。問題は、班の組み方にあった。「仲の良い者同士でグループを作ること」。最低3人以上。
仲の良い者同士、か。
入学2ヶ月のitakoに、まだそこまで気心の知れた友人はいなかった。クラスの輪を見渡すと、どんどんグループが決まっていく。乗り遅れると一人になる。
その時、閃いた。
ぼっちを集めればいい。グループに入れていない子を寄せ集めれば、1班が完成する。我ながら名案だと思った。声をかけて回り、なんとか数人をまとめることができた。
しかし、問題はここからだった。
「どこ行きたい?」「なんでもいい」「どうしよっか」「……別に」
誰も意見を言わない。やる気があるのかないのかもよくわからない。結局、観光ルートはitakoが一人で決めた。
当日、itakoは集合時間の15分前に現地に着いた。
周りの班はどんどん揃って、先生に写真を撮ってもらって出発していく。itakoの班は、集合時間になっても全員が揃わなかった。
5分待った。10分待った。
全員が揃ったのは、集合時間から20分後だった。
気を取り直して浅草を歩いた。予定通りのルートを先頭に立って歩いた。引率だ、完全に引率になった。全員が早々に予定を消化したので途中で自由行動にして、itakoは一人でお土産を買い、雷門の前で解散した。
その後、近くの飲み屋に一人で入った。
ビールを飲みながら、静かに反省した。ぼっち同士を集めても、ぼっちのままだった。閃きは、失敗だった。