4月8日、2度目の入学式を迎えた。
会場は学校の体育館ではなく、近くの文化ホールだった。体育館が改修工事中のためらしい。あやちゃんと並んで会場に向かいながら、不思議な気持ちがあった。15歳の時は親に連れられて来た入学式を、今日は妻と一緒に来ている。
周りを見渡すと、生徒に付き添っているのはほぼ全員が親御さんだ。当然だ。15歳の子どもの入学式なのだから。その中で、ひとりだけ配偶者を連れてきた生徒がいる。なんだか面白かった。
受付で名前を確認してもらっていると、目の前に人が現れた。スーツを着ているが、色黒でチャラそうな雰囲気の男性だった。
「担任の前田です。」
これが担任か、と思った。見た目だけで判断してはいけないが、街で会っても学校の先生だとは気づかないだろう。これから4年間お世話になる人だ。よろしくお願いします、と頭を下げた。
式が始まり、着席した。隣には小柄でかわいらしい少年が座っていた。先月まで中学生だったのだから当然だ。この子と同じクラスになるのか、と思うと、また不思議な感覚があった。
式は校長の挨拶から始まり、生徒会長が慣れた様子で祝辞を述べた。
やがて入学者の名前が順番に呼ばれていった。みんな返事が小さい。恥ずかしいのか、緊張しているのか、ほとんど聞こえないような声か、無言の子もいた。
自分の番が来た。
「はい!」
できるだけ大きく、はっきりと発声した。